文化・生活

インド映画『あなたの名前を呼べたなら』ネタバレあらすじと感想

あなたの名前を呼べたなら。ムンバイの街並み

こんにちは、さいの(@meranamerikohai)です。

8月は(意図せず)映画月間になり、映画館で3本も映画を見ました笑。

そのうちの一つはインド映画『あなたの名前を呼べたなら(原題:sir)』でした。今回はそのネタバレのあらすじや感想をまとめていきます!

作品情報・監督・キャスト

『あなたの名前を呼べたなら』は、インドの大都会ムンバイを舞台に富豪の男性とその家に仕えるメイドの女性との恋愛を通して、インドの階級格差を描いています。

この映画を撮った監督は、ロヘナ・ゲラという女性。彼女はインドで生まれていますが、大学はアメリカへ行きその後も欧米諸国とインドを行き来していたそうです。その中で、子供の頃から気になっていたインドの階級差に対する問題意識が強まっていったそうです。

監督は、映画の題材とするに当たり、ずっと続いてきた彼らの慣習やシステムが「悪」であり、それを否定することを「善」として描きたくはなかったと言います。どうやったら押し付けではない形でこのシステムを変えていけるか?そう考えながら作り上げたのが今作品だといいます。

作品を見る前に、ぜひこのインタビューを読んでもらいたいなと思います!彼女の想いがわかった上で作品を見るとまた違った見方になるかもしれません。

【単独インタビュー】『あなたの名前を呼べたなら』ロヘナ・ゲラ監督が描く現代インドの格差恋愛

続いてキャストのご紹介。

メイドの女性を演じたのは、ティロタマ・ショームさん。

ティロタマ・ショーム

富豪の男性を演じたのは、ヴィヴェーク・ゴーンバルさん。

ヴィヴェーク・ゴーンバル

月次な感想ですが、2人とも役にはまっていたな〜と思います。役に対して不自然なところがなかったです。

ティロタマ・ショームさんは、他の映画で「男として育てられた女性」の役もやったことがあるそうで、気になります…!

詳細なプロフィールはぜひ公式サイトでどうぞ。

あらすじ ※ネタバレ含みます

キービジュアル引用:http://anatanonamae-movie.com/about.php

それではあらすじを。ネタバレ含みますよ!

物語は、建設会社を営む社長の息子であるアシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)が婚約相手に浮気をされて結婚直前で破局をするところから始まります。

それによって、新婚夫婦2人のもとで住み込みで働くはずだったメイドのラトナ(ティロタマ・ショーム)は、傷心のアシュヴィンと2人暮らしをすることになりました。

ラトナは、農村出身の女性ですが結婚して4ヶ月ほどで夫が亡くなり未亡人として生きています。様々なしがらみがある農村からムンバイに出てきて、メイドとして働きながらファッションデザイナーになるという夢を見ています。

傷心で帰宅して間もなく、アシュヴィンを励ますためかラトナは自分も結婚してすぐに夫を亡くしていることをアシュヴィンに語ります。そこから、時間軸がどれくらいかあまり掴めなかったのですが、日々の生活の中で遠慮がちにお互いを気にかけるようになっていきます。

そんなある日、ラトナは夢であるファッションデザイナーへの一歩として裁縫を習いに行ってよいかとアシュヴィンに尋ねます。お抱えのメイドさんだと、日中の空いている時間も何をするか許可が必要なんですね…。無事に了承を得たラトナは裁縫を習い始めます。

アメリカで大学生活を過ごしたアシュヴィンは、元々メイドのラトナに対して差別的な態度や考えを持っていないようでした。夢に向かって走り出したラトナはとても楽しそう。アシュヴィンもそんなラトナと過ごす内に心の距離が縮まり、惹かれていったようです。ある日アシュヴィンはラトナにキスをしてしまいます。

メイドなどの身分は恋愛に関係ないと言うアシュヴィンと、身分不相応なことをしたと恥じるラトナ。ラトナは家を出ていってしまいます。2人の関係の終着点は…?という話ですね。

感想 ※ネタバレ含みます

ラトナとアシュヴィン

引用:http://anatanonamae-movie.com/about.php

ここからは、私個人の感想を載せていきます。ネタバレ含みますよ!

監督の想いがよく現れてる

映画を見ている中で胸は苦しくはなりましたが、階級の高い人や理不尽な慣習が続いていることが悪であるとは全然思いませんでした。

もちろん、作品を見る中でアシュヴィンとラトナの見る世界・生きる世界の違いや、メイドへの態度の違いが明確に描かれていたし、農村部の古い慣習による未亡人への扱いも触れられていました。個人的には私も、不条理に人の尊厳を失わせてしまうような古い慣習や階級はなくなっていけばいいのに…とは思っています。

ただ作中では、ラトナがそれを受け入れてそれでもその中で前を向いて生きていたし、アシュヴィンのように進歩的な考えの人も大勢いるというのが見れたからかなとも思います。これまでのシステムがそうなだけであって、みんなそのシステムに従っているだけ、それが良くないと思っている人も大勢いるんだと思います。

という意味で、監督がインタビューで言っていたように、善悪で語るのではなく中立で事実を描いているというような感じの印象を受けました

女性の社会進出への共感

ラトナ

引用:http://anatanonamae-movie.com/about.php

個人的には、ラトナがファッションデザイナーになりたいという目標を持ちそこへ向かって努力する、努力することができるという点への感情移入が激しくできました。

映画の中でもありましたが、インドでは未亡人は、理不尽な扱いを受け、再婚できず、それが妹でも花嫁に会うことも許されないなど古くからの慣習が残っています。そんなラトナが、都会に出てきたことで理不尽な社会的抑圧を跳ね除け自分のやりたいことに向かっている姿は応援したくなります。

私も、インドの村で社会的抑圧状態にある女性や、そのような女性が社会進出することで弾けるような笑顔と自信にあふれた姿を見たことがあるので余計共感しました。自分の可能性は自分以外の誰にも決めつけることはできない、私はそう思うのでラトナのような女性が増えていくと嬉しいです。

恋愛面はあまり共感できなかった

さて、この映画は恋愛を通して階級差を描いていますが恋愛面に関してはそこまで共感要素がなかったかなと個人的には思います。

ラトナとアシュヴィンは2人とも何かの傷を負っていたためお互いに対して気持ちが通じる部分がありました。ただ個人的には、男性側の気持ちの動きは(実際に行動にうつしているだけあって)わかったんですが、女性側がどのタイミングで男性に惹かれたのかがいまいちわからなかったというのがあります。

お互いに躊躇しつつ徐々にお互いの心に染み渡っていくような関係性を表現されているのかなとも思うのでなおさら、わかりやすい演出はしなかったのだと思いますが…。それゆえ私には特にラトナの気持ちが見えませんでした…。

また、一度はアシュヴィンの家を出て新たに職探しをするラトナですが、突然仕事のオファーの電話が来て念願のファッション関係の仕事に携われることになりました。実は、アシュヴィンが友人に頼んでくれたと知ると、アシュヴィンの家に一目散に戻って行き悲しみにくれるラトナ。

アシュヴィンはそこにはもういなかったのですが…ちょうどアシュヴィンから電話がかかってきて泣きながら最後は『あなたの名前』を呼ぶ。

私が捉え方ひねくれてるのかもしれませんが、なんか、うーん…?って少し思っちゃう要素がありました。

まとめ

以上、今回はインド映画『あなたの名前を呼べたなら』についてあらすじと感想をまとめてきました。

個人的には恋愛面にはあまり共感できませんでしたが、階級や慣習について事実を知れたりラトナが頑張る姿に共感できたりと総評としては良かったです!

ぜひ見てみて下さい!