文化・生活

インドの宗教ヒンドゥー教とは?【簡単に解説!】

ヒンドゥー教の神様たち

こんにちは、さいのです。

今回は、インドの宗教ヒンドゥー教についてまとめていきます。私達日本人にとっては、宗教というのは少し遠い存在のように感じるかも知れません。海外に行ってから宗教という存在にハッとさせられる人も多いはず。

宗教は人々の生活にも根付いているものなので、インドに行くことを考えている方はぜひ頭に入れていくのが良いと思います。

国民の8割が信仰するヒンドゥー教

ヒンドゥー教徒

Photo by 🇮🇳Amol Nandiwadekar from Pexels

インドに住む人々がみんなヒンドゥー教を信じているわけではありません。とは言えその数はすさまじく2011年に行われた国勢調査では、国民の約8割がヒンドゥー教を信仰しており人口にするとおよそ10億人です。(すごい数ですね…)

インドにおける宗教の人口割合

2019年5月に行われたインドの下院選挙では、モディが再当選しヒンドゥー至上主義を心配している人も多く存在します。インド内の宗教については下記の記事にまとめてありますので詳細気になる方はぜひ。

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インドの宗教って?割合・特徴・分布【網羅的にまとめた】インド人が信仰している宗教について、網羅的にまとめました。牛肉を食べないヒンドゥー教徒、豚肉を食べないイスラム教徒、ターバンを巻いているシク教徒などインドには様々な宗教が存在します。それぞれの宗教の割合や国内の分布、特徴を知りたい方向け。...

ヒンドゥー教の始まり

戦士の鎧https://unsplash.com/photos/JOzv_pAkcMk

そんなヒンドゥー教ですが、いつ、どのようにして始まったのでしょうか?

アーリア人の侵攻

元々インドにはドラヴィダ人を始めとする複数の人種が住んでおり、彼らはそれぞれ土着の宗教を信仰していました。

ところが紀元前1500年頃、大陸北西の方からアーリア人という種族がインドに侵攻してきました。侵攻してきたアーリア人はバラモン教という宗教を持ち込みます。

このバラモン教が後に言うヒンドゥー教となります。バラモン教は、バラモン(=アーリア人・司祭階級・カーストで最上位)を中心とした階級社会の仕組みを広め支配しました。

バラモン教からヒンドゥー教へ

紀元前4世紀頃〜紀元4世紀頃にかけて、そんなバラモン教に異を唱える人々が出てきます。それが、仏教やジャイナ教といった宗教です。これらの宗教は同じ時期に興りバラモン教の対抗勢力となりました。

困ったバラモン教は、仏教やジャイナ教、また土着の宗教を少しずつ取り入れ信者を増やそうとしました。この時期からヒンドゥー教と呼ばれるようになります。カルマや輪廻転生など仏教に通じる考えがヒンドゥー教にはあるのはこのためです。

そして、神様がやたらに多いのもこれが理由の1つです。

ヒンドゥー教の神様

破壊神シヴァhttps://pixabay.com/images/id-3132133/

続いて、インドの神様について紹介していきます。

ブラフマン・ヴィシュヌ・シヴァ

ブラフマン、ヴィシュヌ、シヴァ、この3人の神様は三神一体=つまり力関係が同一の対等な3人として語られています。

なんとなく、シヴァは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?ブラフマンは世界を創造すると言われ、ヴィシュヌは世界を維持するため世界に危機が訪れると人間の姿になり救世主として現れ、シヴァは世界を破壊すると言われています。

ヒンドゥー世界では、創造→維持→破壊→創造…と繰り返すことで世界が成り立っていると言われます。

その他の有名所では、ガネーシャ=商売と学問の神、クリシュナ=ヴィシュヌの人間の姿で英雄、インドラ=雷を司る軍神などがいます。

ガネーシャPhoto by Artem Beliaikin on Unsplash

先程お話したように、紀元前4〜紀元4世紀頃ヒンドゥー教は存続を守るために他の宗教の思想や神様を取り込んでいきました。今ではヒンドゥー教の神様として人気のクリシュナも実は土着の信仰の対象だったのを、「実はヴィシュヌの化身なんだよ!」と言い換えてしまったそうです。なんとも面白い…笑

牛も神聖

ヒンドゥー教…と言えば気になるのもこの辺り。なぜ牛が神聖な動物とされているんだろう…と。シヴァの乗り物も牛なのです。

インドという土地において、牛は荷物の運搬や畑の耕作などの労働力として、また乳やバター、ヨーグルトなどを提供してくれるタンパク源としても重宝されていました。

あのブッダが飢えで苦しんでいた時に助けられたのも乳粥でした。

このように、元々インドという土地で実用的な価値が多くあった牛が、その後神話などの影響により神格化されたと言われています。

社会生活における決まり、タブー

インドの牛https://pixabay.com/images/id-2579534/

ヒンドゥー教は、実際に生活の中での決まりやタブーなどはあるのでしょうか?

お酒

お酒は日本のように当たり前に飲む習慣はありません。かといって、ベジタリアンや牛肉などと違い飲めないというものでなく、飲むことに対してあまり良い印象がないという感じのようです。

ただ、最近では若者やアメリカ留学帰りのインド人、はたまた外国人の流入などでお酒を飲む人も多いのでは?と思います。

インドでは、スーパーにお酒は売っておらず日本でいうリカマンのような(笑)酒屋さんにお酒が売られています。

牛肉・豚肉は食べない

先程お話したように牛は神聖なので大事にされており牛肉が食されることはありません。しかし、インドにはヒンドゥー教徒だけではなく他の宗教も存在します。イスラム教徒は牛肉を食べるのでインド国内で消費はされています。

しかし、2014年のモディ政権になって以降ヒンドゥー至上主義の傾向が強くなり多くの州で牛肉の取引が禁止されています。一部の極端なヒンドゥー教徒が牛肉加工業のムスリムを襲ったという事件もあるくらいです。

豚Photo by Fabian Blank on Unsplash

また、豚肉も食べません。インド人の女の子に聞くとゴミをあさっているし汚いと言っていました。なので宗教的に…と言うよりも豚は食べないものであるという社会通念があるのだと思います。

インドで肉と言えばチキンかマトンです。

ベジタリアン

インド人はベジタリアンと思っている人も多いかもしれません。ベジタリアンかどうかは階級によるところが大きいです。

カーストの位が高い人ほどピュアな(卵やにんにくも食べない)ベジタリアンだったりします。カーストの低い人々はそういった縛りがなくチキンやマトンを食べる人も多いです。

しかし、肉食を禁じるようになったのは紀元前5〜6世紀だとか。それまでは、アーリア人は肉食であり、祭祀の時も動物を生贄にしその肉を食していたとされています。

さきほどお話したように、ヒンドゥー教は他の宗教の要素を取り入れて発展してきましたが、このベジタリアンは元々ジャイナ教(非暴力・非殺生を貫く)のものだとされています。

ヒンドゥー教を支えるもの

ガンジス川Photo by Frank Holleman on Unsplash

ここからは、ヒンドゥー教の根幹となる考えをみていきます。

カースト制度

まずは、多くの人が知っているカースト制度。この階級による仕組みは、元々肌の色を意味するヴァルナと呼ばれていましたがインドにやってきたポルトガル人がカーストと呼び始めました。

北西から侵攻してきたアーリア人は、肌の色が白く土着の民は肌の色が黒かったことから、カーストを見分けるのは名前と肌の色と言われています。けれど、肌の色が黒くてもカーストが高い人もいるし、ちょっと私もここらへんは混乱しています。笑

カースト制度は1947年のインドの独立時に廃止されています。都市部ではそれこそ気にしない人が多いと思いますが、農村ではまだまだカーストによる差別が存在しているのも事実です。

カーストは上流階級から順に以下の通りです。

  • バラモン(僧侶、司祭階層)
  • クシャトリア(王侯、戦士階層)
  • ヴァイシャ(商人階層)
  • シュードラ(前上位3カーストに奉仕する奴隷階層)

王様よりも司祭階層が上なのが驚きですよね。そしてこの階級に含まれない不可触民(現在では指定カースト)と呼ばれる人々も存在しています。彼らは、名前からわかる通り穢れた存在として扱われてきました。

この4つのカーストを、職業ごとにさらに細分化した階級制度も存在し、それをジャーティといいます。

同族婚

カースト制度が続いていく鍵となるのが、同族結婚です。

インドでは現代でもお見合い結婚が圧倒的に多く同じジャーティ・カーストに属する人同士が結婚します。都市部に住む人々でも、彼氏はいるけど結婚相手は親が選んでくるという人が多かったり。

これは、元々アーリア人がドラヴィダ人など他の人種と交わるのを拒んだためと考えられています。考えてみると確かに、同族婚が続けば他のカーストと交わることはなくなり支配者層に都合の良いカースト制度が続いていくことになるのです。

佇む年配の男性
インド憲法の父、アンベードカルの語るカースト制度の本質とは?こんにちは! 以前、ヒンドゥー教についての記事を書きました。そのヒンドゥー教と深く結びついているのが有名なカースト制度です。 ...

浄・不浄

ガンジス川で沐浴する男性https://pixabay.com/images/id-1588337/

インドでは浄・不浄という概念が存在します。血や死体、排泄物など基本的に体内から排出されたものは不浄とされます。

よく、左手は不浄なのでご飯を左手で食べないと言いますよね。インドは元々手で食事をしており、トイレの時には左手でおしりを拭くので不浄なのです。

でも、世の中にはどうしても血や死体を扱う仕事をしてくれる人が必要ですよね。そのような不浄な仕事はカーストの低い人々が受けていました。なので、と言えるかはわかりませんがカーストの低い人々は不浄であり穢れた存在とされたのです。

一方でガンジス川は浄の代名詞。日本人からすると生活排水やら死体の灰やらなんでも流れている汚濁された川なので驚きですよね。

元々水を神聖なものとするのは多くの国で一緒と言われています。日本も神社に入る前には聖水で手や口をゆすぐのもそれです。インドでも、元々水が神聖なものとされており、かつ暑い土地柄沐浴という習慣が広まった、そして牛と同じく後から神話が付け足されガンジス川は特異な浄の存在となったのだそうです。

輪廻転生・業(カルマ)

インドでは、輪廻転生や業(カルマ)という死生観があります。人は死ぬと生まれ変わりそれの繰り返し、そのループから抜け出すことを解脱と呼び人々は解脱を目指しているということです。仏教を知っている方は馴染みが深いかもしれませんね。

その死生観によると、路上で生まれ落ち経済的にとても貧しい状態にいる人、はたまた裕福な家庭に生まれ幸せに満ちた生活を送る人、どちらもこれは前世の行い、業によるものであると考えられます。

前世で悪い行いをしたから今不幸な状態であり、しかし今を誠実に生きれば来世はきっと幸せになる、そういう考えなのです。来世がある前提で生きているというのが輪廻転生の思想です。

まとめ

インドの国民約8割が信仰するヒンドゥー教についてまとめてみました。今回は本で読んだ知識やインドに来る中で聞いた話を元に記載しています。

ただ、実態とはどれだけ離れているだろう?と思うこともあります。私が以前バンガロールに行ったときは無宗教なんだよね、という女の子にも会いました。

これからもインドで日々実態と向き合っていきたいなと思います。

今回は、下記の2冊+αを元に書いています。

 

間違っているよなどご指摘あればお願いいたします。