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【インド・コルカタ】革の集積地Leather Complexとは?実際に行ってきた!

革の工業地帯

こんにちは、さいの(@meranamerikohai)です。

インドは皮革産業が盛んなのはご存知でしょうか?

インドの中でも、コルカタのあるウェストベンガル州やチェンナイのあるタミル・ナードゥ州で特に盛んです。

以前、インドのレザーを見て回っていた時にコルカタにあるレザー・コンプレックスという場所に行ってきたので、今回はその時の様子を紹介したいと思います!

インドは世界でも原皮生産トップレベル

牛と神様https://pixabay.com/images/id-1129937/

インドを知っている方はあれ?と思うかもしれません。なぜなら牛はインドでは神様として大切にされているからです。

ですが、実際にインドの2014年時点での牛の原皮の生産量は世界で1位です。次いで中国、ブラジルと続きます。原皮とは、革として使えるように加工する前の皮のことです。

大半が牛肉を食べないヒンドゥー教徒であるにもかかわらず、飼育頭数でいうと2位の中国の3倍もの数がいるそうです。

そんなインド国内では、牛革の加工や取引が許されているのはチェンナイのあるタミル・ナードゥ州やカンプールのあるウッタル・プラデーシュ州、コルカタのある西ベンガル州などいくつかの限られた州になります。主には、イスラム教の人たちが多く居住している地域であると思われます。

モディ首相になってからは牛革の取引の規制が強化されているようで、皮革産業に関わる人々がヒンドゥー過激派の人々に殺害されるという事件まで起こっています。

コルカタにあるLeather Complexとは?

工場排水コルカタは、インドの中で2番目に大きな製革業の集積地です。

もともとはイギリス植民地時代に盛んになった産業で、独立時にはイギリス人の手から中国人の手にわたり、その後インド人も参入しなめし工場が増加、その数は約550社にのぼったそうです。

2017年に私がコルカタを訪れた時も、中国人の経営するなめし工場の集まっている地域がありました。

なめし工場とは、動物の皮を革として使えるように加工をする場所です。加工をしないと、皮は乾燥しすぐに固くなり使えなくなってしまいます。

今回訪れたLeather Complexは2004年頃から稼働し始めたそうですが、1996年からコルカタ市内にあるなめし工場にはLeather Complexへ移動するように通達があったそうです。

なぜLeather Complexという工業地帯を作り、そこへすべての工場が移動する必要があったのでしょうか?実は、各々で経営されていたなめし工場からは、適切な処理がされずに汚染水が排出されていました。その汚染水が川に流れ込み深刻な環境問題となっていたからなのです。

Leather Complexでは、Common Effluent Treatment Plant(CETP)と呼ばれるすべての工場共通の排水処理施設が備わっているのでLeather Complex内で操業すれば汚染水が適切に処理をされて川へ戻るようになるというわけです。

Leather Complexに行ってきました

leather complex内の道路では、実際にどんなところなのか、行ってきた様子を紹介します!

実際に行くまでどんなところなのか想像がつかず、歩いて行けるのかな〜と思ってましたが甘かったです。

車で連れて行ってもらえてよかった…約200のなめし工場が集まっているらしくとにかく広いです。

敷地内の工場にもよりますが、私が通った道に並ぶ工場は、見た目が古びたというか廃れたというかそんな感じの工場が多いし、男の人ばっかりだしうかつに一人で入らなくてよかった…とほんと思いました。笑

古びた工場と干された皮道端のあらゆるところに干してある青い物体がなめし途中の革です。青くなっているのは、クロムという化学薬品を使用しているからです。みんな外に干すんだ…

道端に干された皮

車から降りて外に出てみると、独特な匂いがします。というか、臭いです。動物の皮を扱う工場なので、匂いが独特なのは想定内と思っていたんですが、なにやら匂いの原因は他にもありそう…

実は、写真には残っていないのですが敷地内を流れている川がにごった青緑色でとても汚かったです。最新の廃水処理がされているとはとても思えない川の色です。どうやら匂いの原因は、なめしの匂いと川の匂いがまざった匂いだったんですね。

廃水処理、どうなってるの…と思い、なめし工場の見学をしたときにお兄さんに聞いてみました。

さいの
さいの
ところでこの工場は排水処理はきちんとされている?
インド人のお兄さん
インド人のお兄さん
俺たちの工場は排水基準を満たしているというcertificateを政府からもらっているから大丈夫
さいの
さいの
でも来るときみた川がものすっごい汚かったけど…
インド人のお兄さん
インド人のお兄さん
ここはインドだよ?CETPは今は機能していない。でも俺たち工場はみんなcertificateを持っているしCETPのためにお金も納めている。けどでも政府は何も進めてくれない、俺たち工場にはどうしようもない。

インドはじめ、途上国でよく聞くこのパターン。こういうのを聞く度に、もどかしく歯がゆくそれをどこに向けたらいいのかわからなくなります。

お兄さんのなめし工場を見せてもらいました。

奥には大きな樽のようなものがあり、石灰につけたり染色をしたり、なめしに必要な工程を行います。

工場内部の樽下の写真では、加工した皮を工場の上部に吊るしてほしているところ。

天井に干された皮

外で干している工場もあれば、このように工場内部にスペースや設備を持っている工場もあります。

Leather Complex内には、なめし工場だけではなく教育・研究機関や皮革製品の製造工場もあります。

今回は靴工場とFootwear Design & Development Institute(FDDI)という教育機関を見学させてもらいました。

FDDIで話を聞いたところ、モディ政権になりmake in Indiaを掲げてからレザー産業は優遇されており、インド人が自分で製造工場を立ち上げる場合には政府から補助金も出るようです。

産業振興をはかっているのにもかかわらず、環境配慮という消費者の目が届かないところはおざなりにされている状態。

でも、ここの工場でなめされた革は世界中へ輸出されている、革として、製品として。時代が変わってCETPが整備されるまで、ほとんどの人は自分の買った革製品が環境汚染に貢献しているなんて気づかないままなんだろうな。と思いました。

まとめ

書いておきながら、Leather Complexに観光で行く人なんていないと思うので問題ないですが一人では乗り込まないほうがいいと思います!笑

廃水処理、きちんとされるのはいつになるのだろうか、ウォッチしたいと思います。