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インドはなぜ水不足なのか?原因と解決策を調べてみた!

水滴

こんにちは、さいの(@meranamerikohai)です。

最近インドに関するニュースを集めていると、水不足に関する話題が多く見受けられます。なんと、インド首相のモディが水の有効活用をTwitterで訴えるほど。

インドの水不足について、yahooやgoogleで「インド 水」などで調べてみると今年のニュースだけではなく例年同じようなニュースがあることがわかります。それほど、インドと水不足は切っても切れない関係です。

今回は、インドの水不足について現状となぜ水不足になるのかの原因、今出ている解決策についてまとめてみました。なお、このまとめはいくつかの記事を参考にしてまとめていてそれぞれ出典を記載しているので気になる方は読んでみて下さい。

インドの水不足の現状

水道

 今年2019年の状況

今年に入ってから、チェンナイでの水不足に関するニュースが多く見受けられます。チェンナイで水を供給している4つの貯水池すべてが枯渇し数百万人が水不足に直面しているといいます。水を求めてデモが起き500人以上が逮捕される事態にも発展しています。

この水不足にどう対応しているのかというと、水の供給量の削減や海水から塩を抜く淡水化プラントを稼働させ、水タンクを積んだトラックで各家庭へ配水をしていると言います。こちらの記事 によると、今年の6月19日時点でチェンナイだけではなくインド全土の44%が干ばつ状態に、6%で極度の干ばつ状態に陥っているといいます。

 慢性的な状況

干ばつ状態の土地

今年に限った話ではなくインドは、例年水不足に悩まされています。こちらの記事 は昨年のものですが、マハラシュトラ州のプネでも水不足により水の供給量の削減が行われました。プネはそれ以前にも水不足に直面しています。下記の引用はその際の状況です。

市内のあらゆる建設作業は2カ月にわたり全て中断され、自動車修理工場は水を使わない作業のみ許可された。ヒンドゥー教の春の祭りで、水や色付きの粉をかけ合う「ホーリー祭」は水なしで行われ、ダンスクラブや水を使う娯楽施設では「レインダンス」と呼ばれる人気ダンス・イベントの開催を禁止され、プールは閉鎖を命令された。水の使用法は全てチェックされ、誤った使い方が見つかれば高額な罰金が科せられた。

引用:水が足りない――そんなディストピアがすでに現実に? インドの場合

また、農村部では水道が整備されていない地域も多く、その多くの人々は雨水や地下水に頼って生活をしています。ただ、その地下水も深刻な枯渇問題やヒ素などによる地下水汚染問題に直面しています。今後の動向に関してはこのようにも言われています。

「2020年までに、デリーやバンガロールを含むインド国内の21都市で地下水が枯渇し、1億人以上に影響が出る」

引用:200人以上死亡の熱波につづき、インドの水不足が深刻

さらには、2030年には人口増加により水の需要が供給可能な量の2倍になる とも言われています。

インドの水不足の原因

モンスーン時期の雨雲

なぜインドはここまで水不足になっているのでしょうか?ニュースで取り上げられている原因をまとめました。

 モンスーンの遅れ

インドは年間降雨量の多くが6月〜9月(地域によって変わりますが)に降ります。多くの地域ではこのモンスーン時期に溜まった水を長期的に使用していくのです。ところが、今年はこのモンスーンが1週間程度遅れていたことをインド気象庁が発表しました。1週間遅れたことでそこまで影響あるのか?と思うのですが、遅れたこと自体は問題ではないと思っていて、このように雨の時期が年間のうち一時期に集中しているということが水の管理を難しくさせているのではないでしょうか。

 記録的な熱波

さらに今年はデリーで過去最高の48度、ラジャスタン州では50度を記録しておりすでに熱波の影響で200人以上が死亡しています。少し話は逸れますが、インドには路上生活者や十分な空調設備がない家に暮らしている人々が多く存在し、彼らの犠牲も多いのではないかと個人的に思っています。この熱波が各地の貯水池が干上がるのに一役買っていることと思われます。

 降雨量の減少

近年ではモンスーン時期の降雨量も減少傾向にあると言われています。こちらの記事 によると、2000年以降の18年間で、降雨量は2000年以前より7%減少したと言われています。

冒頭で述べたチェンナイの貯水池枯渇についても、昨年のモンスーン時期に十分な雨が降らなかったことが原因の1つとしてあるようです。このような天候の影響は避けがたいものですが、次に説明するようにインドならではの原因も加わります。

 人口の増加

さきほどの記事で、2000年以降の18年間で降雨量が減少したと記載しましたが、それに対してインドの人口は30%も増加したそうです。これまでと同じように水を消費していたらどうしても水が足りなくなるのは避けられないはずです。

 非効率な水利用

とある研究者は 、インドで水が不足している問題はモンスーンの遅れでも水の絶対量の不足ではなく、水の管理が非効率的であることとしています。

水道が整備されていても老朽化し、インドでは約40%の水が給水源から各家庭などに行くまでに漏水しているといいます。40%ってすごい割合ですよね。。

また、水道が整備されていない地域では、貯水池の他に給水車で各家庭に配水するなど非効率な運用が目立ちます。

また農業セクターは、水消費量の8割を占めるとされていますがインドの灌漑設備普及率は34.5%と低くなっておりここを改善することも喫緊の課題とされています。

 地下水の減少・汚染

水道がない地域では地下水に頼っているところが多く見られます。そんな地下水も、過剰汲み上げや都市化に伴う地表のコンクリート化、地下水への浸透しにくさにより年々水位が減少傾向にあります。さきほど書いたように、2020年にはインドの主要な21の都市で地下水が枯渇するとも予想されています。

また、問題となっているのが地下水の汚染です。こちらの記事 によると、特にガンジス川沿いや鉱山を行っている地域にヒ素などによる地下水汚染が見受けられます。

このように、水不足を引き起こす・助長する様々な原因がインドでは共存しています。

水不足の巻き起こすさらなる問題

干上がった土地

水不足は、さらなる問題を引き起こします。

 農家の貧困化

水が不足していると、農作物や家畜に十分な水を与えられなくなります。そうすると、農家は不作に見舞われ、家畜も生命のリスクにさらされます。作物や畜産物など貴重な収入源がなくなってしまえば農家は借金をしなければならなくなるかもしれません。借金苦に追われた農家の自殺が多いのは有名な話で日本でもニュースに なっています。

 治安の悪化

こちらの記事 によると、水を巡って人が死亡する事件も起こりました。水道水を大量に持ち帰ろうとした親子を注意した男性が逆に殴られ死亡。ジャールカンド州でも水を多く持ち帰ろうとした男性が注意してきた人々6人を刺殺したとされています。

このニュースを見ると、水を持ち帰ろうとした人々がいかに深刻な水不足に陥っているかということが想像できます。冒頭でも述べたように、水を巡って政府に対する抗議活動なども起こっており治安は悪化していくと思われます。また政府に対する不信感も募っていくんだと思います。

 脆弱な人々の命のリスク

水を十分に確保できなければ、手に入れられるのは不衛生な状態の水です。こちらの記事 では、下水設備も整っておらず清潔な水にアクセスできないために約20万人が亡くなっているという報告もあります。

また、水不足の影響で許可なく井戸を採掘しその水を売って周る水マフィア なるものもでてきているそうです。今のところ、貧困層でも水を無料で得ることはできますが、水が不足し始めたときにお金を持っている人の方が清潔な水にアクセスしやすい状態になるのでは?と思います。

解決策は?

ダム

このような深刻な水資源問題について、どのような解決策が提示されているのでしょうか?

 上下水道の整備

モディは、2024年までに全農村に水道を普及させるとしています。個人的に気になるのは、インドは国土の広い国であり(私が昔行ったことのある村は隣の家が1km先とかざらでした)、水道の建設が現実的なのか本当に良い解決策なのかということと整備をしたところでその後の管理はできるのかという点です。

また、下記の引用のように資金的な問題で政府主導による上下水道の整備は期待できないのではとされています。今のところ宣言に見合う予算の増加がない ようです。なので、国際機関や日本政府によるODAで行われるのではという感じです。

インド政府に資金がないため、公共の上下水道整備など水インフラの構築は、アジア開発銀行(拠出限度額約38億ドル〈2017-19〉)や日本の政府開発援助(ODA)資金、海外の資金援助に頼っている。

引用:インドの水ビジネス事情 水インフラ整備は海外からの援助・投資頼み

 

 農業分野における灌漑の整備

とある研究者 は、水不足を解決するための努力は灌漑設備の整備にすべてを注ぐべきというほど農業における効率的な水利用は重要です。ドリップ灌漑やスプリンクラーの普及によって効率的な水利用が望まれます。

農業分野における水利用の効率化、という点では稲作などの水の使用量の多い作物から水が少なくても育つ作物への転換を促すような政府の助けが必要なのではとも言っていますが、ここに対する政策は今のところないのかな…?(また別の機会にもう少し調べます)

まとめ

以上、今回はインドの水不足にまつわる問題についてまとめてきました。全体の意見を網羅できていないので情報に偏り・不足は全然あると思いますが…

調べていて、水資源問題への政府による対策は急務だなと思います。今後の動向に注目したいと思います。