こんにちは、さいのです。
Twitterでもブログでも公言している通り、私はメンタル弱いです。(泣)インドに来てから孤独でたまに落ち込んだりしてて笑、そんな自分がだめだ〜と思ったのでスタンフォードのストレスを力に変える教科書を読んでみました。
この本の言いたいことを一言で言うと、ストレスは捉え方次第で前向きな人生を送るエネルギーになるということかなと思います。また、本を読むことでストレスを感じている時に自分がどんな反応をするのかに目を向けられたり、ストレスに対する新しい見方ができるようになります。
そんな本を簡単にポイント絞ってまとめてみたので、ストレスを感じている人は、ぜひ読んでみて下さい〜。
ストレスの定義
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そもそも、私も含めてみんなよくストレスっていう言葉を使うと思いますが、ストレスとは何なのでしょう?この本の中では、ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされた時に生じるものとしている。例えば、交通渋滞でイライラする時も大切な人を失った時も職場の人間関係で落ち込むときもこれに当てはまります。
さらにこの本では、ストレスと意義は密接な関係にあるとしてどうでも良いことにはストレスを感じないはず、と言っています。ストレスの全てが良いことであるとは言わないけれど考え方を変えればストレスには良い面もあるということが見えてきます。
ストレスは役に立つと思うと実際にそうなる
ストレスは役に立つと考えている人はどれだけいるのでしょうか?少なくとも私はストレスは避けるべきものだと思っていました。ただ、この本によるとストレスを感じることは役に立ち、逆にストレスは身体に悪いと思っていると良くない影響があるらしいのです。ここに、考え方・捉え方が変わるとその後の健康状態などに影響が出ることを示す事例があります。
アメリカで行われた大規模な調査では38年間に渡り18才〜49才までの成人を追跡しました。その結果、年をとることに対してポジティブにとらえていた人々は心臓発作のリスクが80%も低かったそうです。
なぜ人々の年をとることに対する考え方が何十年もあとの健康状態に影響するのか?それは、その考え方が直接的に健康状態に影響しているわけではなく、年をとるために健康状態に気を使い運動をしたり医者のアドバイスに従ったりとその考え方が日々の行動や選択に影響を与えているからでした。
続いて、ストレスへの考え方が違う人々の実験です。被験者は模擬面接を受けますが、面接官は被験者にストレスを与えるためにあえて否定的なフィードバックを続けることになっています。被験者は面接の前に2種類のビデオのうちどちらか1つを見せられます。1つは、ストレスは身体に悪影響を与えるという内容のもの、もう1つはストレスは実は身体に良い影響を与えるという内容のものです。
その後、面接を行い唾液を採取します。ストレスを感じた時に分泌されるのは、コルチゾールとDHEAというストレスホルモンです。この2つの違いは、
- コルチゾール
糖代謝・脂質代謝を助け体と脳がエネルギーを使いやすい状態にする。ストレス時に重要ではない生物的機能を抑える。
- DHEA
脳の成長を助ける男性ホルモンで、ストレスの経験を通じて脳の成長を助ける。コルチゾールの働きを抑え、傷の治癒を早め、免疫機能を高める。
コルチゾールが多く分泌されるとうつ病や免疫機能の低下などが現れる可能性が高くなり、DHEAが多く分泌されるとそのような病気のリスクが低下しストレスに負けずに頑張れる傾向があります。
実験の結果、ストレスは身体に良いというビデオを見た被験者たちはDHEAの分泌量が多くなっていたのです。
以上のことから、生物学的にもストレスに対する考え方次第でその後の体への影響に違いが出るということがわかりました。
- 考え方を変えると、行動や選択が変わる
- ストレスに対する考え方を変えると、ストレス下で分泌されるホルモンが変わる
- ストレスは良いと考えると、ストレス下で成長・頑張れるDHEAホルモンが多く分泌される
ストレス反応をセルフコントロールする
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ストレスを感じた時にどんな反応をするか、どんな行動をするか、どんな感情になるかは人それぞれですよね。例えば、ストレス反応には以下の種類があると言われています。
- 闘争・逃走反応
恐怖や怒り、身の危険を感じてアドレナリンが分泌され交感神経が活性化する。心拍数が挙がり呼吸が早くなり筋肉は緊張し瞬時に行動を起こせるようになる。一方緊急時に必要ではない消化機能などの機能は低下する。
ストレス下でこの反応が出てしまうと、問題から目をそらしたり仕事を投げ出したりしてしまいます。ただし、火事場の馬鹿力というのはこれによって引き起こされるので命に関わる場面では役に立ちます。
- チャレンジ反応
プレッシャーのかかる状況でも恐怖は感じずに心拍数は上昇しアドレナリンが急増する。それにより筋肉と脳にエネルギーが送り込まれ気分を紅葉させる脳内化学物質が急増。集中力も高まる。ストレスホルモンの中でもDHEAの割合が高く、ストレスから学ぶ助けになる。
ストレス下でこの反応が出るといわゆるフロー状態になりやすく、自信や集中力が高まり最高のパフォーマンスを発揮できます。
- 思いやり・絆反応
ストレスを感じた場合、人との絆を築いたり強化したくなるオキシトシンが分泌される。それにより、周りの人の感情に気づきやすく直感が鋭くなる。また脳の恐怖反応を鈍らせ逃げ出そうとしたりするのを防ぎ、大切な人やコミュニティを守りたいという気持ちを高める。さらに、心臓にはオキシトシン専用の受容体があり心臓細胞の再生や損傷の修復に役立つ。
ストレス下でこの反応が出ると、家族やペット、友達などを思い浮かべさせます。恐怖を抑え、自分を勇敢にしてくれます。
ストレス時にオキシトシンやDHEAの分泌が高い人は回復が早く疲労が長引かない傾向があると言います。
ここまでいくつかのストレス反応を見てきましたが、自分の中でああ、このストレス反応しがちかも…というものはあったでしょうか?どの反応が起こるかは、幼少期のストレス経験や遺伝子も影響します。ストレスからの回復が早かったり、ストレスを感じにくい人もいますよね。
ただ、それで全てが決まるわけではなく、自分自身の意識的な選択や人生経験によってどのストレス反応にするかは変えられます。じゃあどうやって変えるのか?というと、まずは自分のストレス反応、今この状況でどのストレス反応が出ているのか?を知覚することが大事です。そして、ストレス反応は集中力や勇気、行動、周りの人との絆を与えてくれることを思い出します。状況に応じて自分は今どのように反応したいのか?と意識的に変えることで体の状態も切り替えられます。
- ストレス下では、いくつかのストレス反応があり人によって違う
- ストレス反応によって、勇気・行動力・周囲との絆・集中力など体へ起こる反応が違う
- どのストレス反応をしたいかは、自分で変えられる
ストレスは避けるのではなく向き合う
ここまで見てくると、ストレスをうまく受け入れ利用していく、力にしていくことは可能なのではないかと思えるように…なったでしょうか?笑
それにしたって、ストレスを感じた時はそのストレスを解消しようとしますよね。でもこの本では、ストレスをそのように避けるのではなく向き合うことでより良い結果をもたらすとしています。以下に、ストレスを避けた場合と向き合った場合の違いを検証する実験があります。
大勢が集まるプレゼンテーションにおいて緊張や不安を感じている人の内、「自分は緊張や不安を感じておらず落ち着いている」と言い聞かせた人と「自分は緊張や不安を感じているが同時にワクワクしている」と言い聞かせた人とでは、後者の方がより良いパフォーマンスを発揮できたそうです。
また、不安やストレスを感じるからといってその物事を避けてしまっていると不安と回避の悪循環を招き、少しでも不安を感じることを避けて生活するようになってしまいます。「不安や緊張をしているということは、興奮している印だ、体が準備をしているからだ」と言い聞かせ、闘争・逃走反応からチャレンジ反応に切り替えることが必要です。
ただ、人は経験をしたことがない場面やプレッシャーのかかる場面などでは概して闘争・逃走反応が出てしまいがちです。そんな場面でどのストレス反応が出るかは、自分がその場面を対処できる自信が持てるかどうかに深く関わります。なので、自分が努力して準備したことを思い出したり、過去に乗り越えた経験があればそれを思い出したりと自分ならできると言い聞かせます。
- ストレスは避けるより受け入れた上でチャレンジ反応にした方が良い結果をもたらす
まとめ
今回は、ストレスに関する本「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」について私が印象に残ったポイントをまとめてきました。
この考え方を知るだけで、自分を客観的に見れるようになるしその上でストレスをうまく活用する手段になります。
もっと詳しく知りたい方はぜひ本を読んでみてください。